なぜ写真集をめくりながらしみじみウィスキーを飲んでいるのか
いつものことではあるけれど、仕事を終えて真夜中の我が家に帰った。
我が家には20年来愛用のダイニングテーブルがある。一生使うつもりで購入した重い樫の木のテーブルは、食事もするし本も読むし子供たちの勉強机でもあり、我が家の中心ともいえる。さすがに歳月を経て表面のウレタン塗装もずいぶんやせてきて、ところどころ樟んだところもあるけれど、いい感じでもある。寝静まった空気の中、そのテーブルの上に包みがいくつか並んでいる。
そうだ、今日は僕の誕生日であったのだ。51回めの誕生日。もうどれがどれやらわからないほど何度も繰り返してきた誕生日だ。
プレゼントの包みを開いてみる。子供たちはなぜかそろってお酒だ。アル中でないと宣言したのが功を奏したのかいけなかったのか。ヨメからはお気に入りの写真家の写真集だ。嬉しい。ヨメのご両親からのプレゼントもあり、ひとりで恐縮する。みんなありがとう。
多くの人に支えられ助けられ励まされて今年も一つ歳をとった。奇跡のようなことを、当たり前のように甘受できるこの幸せを忘れまい。