なぜジョブズの訃報を聞いて久しぶりにblogを書いているのか

みな、成功した者をじろじろ見て、成功の理由を知ろうとする。本屋に行くとそんな本がビジネスコーナーを埋めている。大勢が電車の中で読んでいる。本を読んでわかった気になる人間は大勢いるが、ほとんどは成功なんかしない。

はっきりしているのは、スティーブ・ジョブズはそんなことをしなかったということだ。

先見と創造の天才、とAppleのサイトは訃報の中で表現する。前者はその通りだと思う。後者も「実際的な意味で」その通りだ。

ふつう人間は、並外れて新しいことは理解できない。
個人が家にコンピューターを持つ意味がわからない。オーディオセットとレコード棚を持ち歩かなきゃいけない理由がわからない。PCからキーボードを無くして画面だけにして何がいいのかわからない。電話にコンピューターを入れる魅力がわからない。

専門家も、商売人も、見つけられなかった価値を見抜くのがジョブズだ。そして自分の正しさを証明しようとする。結果、世界中がその魅力に気づく。そのとき世界は変わっている。

「みんなには見えないもの」を見抜き、自分の正しさを証明する。それがこの天才の「貫通行動」だったんだろうなあ。

先見がない人間には、地図のない場所に突進する人間が馬鹿に見えるだろう。馬鹿にされても怯まずに、他人の力も動員してずうずうしく突進する意志がないと、証明は出来ない。

まさにStay Hungry, Stay Foolishだ。

さよなら、ジョブズ。楽しかったよ、ありがとう。