なぜ仕事が始まると書きそびれていたコンサートの話を書きたくなるのか

versaloft2008-01-08


カウント・ベイシーというスイングジャズの大御所がいた。カウントベイシー・オーケストラというビッグバンドを率いて活躍し、数々の名曲と名演奏を遺し1984年に亡くなった。79歳だった。
もしも無人島に行くのに一枚レコード(!)を選べと言われたら、ベイシーの「エイプリル・イン・パリ 」を持っていくと思う。
高校から大学にかけて、彼らが来日するたびにコンサートに通った。新宿の厚生年金会館が多かったと思う。ライブの「音圧」は凄まじく、まだ青年だったブッチ・マイルスのドラムがばりばりばばばばんと胸に響き、ブラスはでででででーと大きくうねり、その合間の静寂にフレディ・グリーンの刻むギターがたったったったと歌っていた。快感とはこのことだった。

御大がいなくなってもオーケストラは存続している。今のリーダーはトロンボーンのWilliam H."Bill"Hughes。あのベイシーサウンドを聞かせてくれる。で、昨年の暮れ12月16日の来日公演に出かけた。会場はサントリーホール。席は一階最後列の隅だった。ここでS席8000円というのはどうかとも思うが、もともと法事かご祝儀のようなものだから文句は言うまい。お客さんは満員。杖で歩くような大先輩から女子大生らしいきゃぴきゃぴ集団まで様々。男女比も半々ぐらい。実に客層が幅広い。

音はずーだずーだー♪と昔ながらのノリである。ひっさしぶりー。スイングはほんとに楽しい。ホール全体がノリノリ。すでに伝統芸能の域なのか。コンサートが終わってエネルギー充填完了。ああ、俺ってこの音楽が好きだったんだ、とつくづく実感。帰り道もiPodでずーだずーだー♪と唄いながら歩きました。