なぜ墨攻を封切りで見てぶつぶつ言っているのか

versaloft2007-02-07


映画館でアンディ・ラウの「墨攻」を見た。

もともとは小説が原作の、ビックコミック(オリジナルだったか?)の連載漫画だった。連載当時、かなり気に入って毎号楽しみにしていたので、今回の映画もかなり期待していた。感想は「面白いけど、わかりにくい」かな。原作を知っているから、その面白みが分かるけれど、初めて見たら無理だと思うぞ。欲張りすぎだし。

小さな城壁の街が10万の軍勢におそわれる、そこに独りの軍師が加わって戦いが始まる、という設定が素晴らしいのだが、その心細さが伝わらない。戦いが始まってからも、その意味が分かりにくい。敵の手の内がばらされているので、芝居の中の人ほどには観客はびっくりしない。タイタニックという映画がやたら長いのに退屈させないのは、次に何が起こるかあらかじめ観客に植え付けておいて、いっきにそこへ突進するからディティールが魅力的なのだと思う。墨攻は沢山の人間を描きすぎているのではないか。もしかすると、この倍以上のオリジナルバージョンがあるのかも知れない。うう、それも見たい。

アンディ・ラウはいい役者さんだと思いました。