なぜC&Cのカレーを食べると古い映画の味がするのか

versaloft2007-02-05


空腹を満たすためだけの食事はすまい、と決めているのだけれど、空腹になるとその決心も揺らぐ。いとも簡単に揺らぐ。空腹を満たすためだけの食事とは何か、というと「興味も関心もない店のラーメン」とか「牛丼」とか、まあ、そういった炭水化物の固まりのような食事のことだ。
そんな中でも特殊なのはC&Cのカレーだ。C&Cとは京王線沿線で営業しているスタンドのカレー屋さんである。昔、新宿駅のコンコースに登場したのが始まりではないかと思う。地下の柱と柱の隙間を埋めるようなスペースに、角のところはアートコーヒーのパンを売る売店で、その脇のところに椅子もない細長いカウンターがあって、カレーとコーヒーを出していたのだと記憶する。だからC&Cなのだと思う。
いつのころからかカレーだけを出すようになって、それも不思議な味わいのカレーで、妙に癖になるものだから常連客も大勢つき、沿線には明大前、渋谷、桜上水聖蹟桜ヶ丘と続々支店ができた。今では秋葉原とか有楽町にもある。なぜかみんな黙っているが、ファンは多いようだ。
それ、美味しいのか、と訊かれると返答に困る。美味しいから行こうと人を誘うような勇気もない。カレー、ではなくC&Cのカレー、という特殊な食べ物なのだ。このカレーを食べると高校生の自分に戻ったような不思議な気分になる。新宿の映画館の帰りに京王線の特急の時間を気にしながら食べたステンレスの食器に鉄のスプーンで食べたあの味だ。

ここで食べるとクーポン券をくれる。10枚集めると一杯サービス、ということらしいが、半年が期限なので、10枚たまると言うことがない。たまらなくて幸いであるのだが。

写真は週末に食べたマルゲリータ。石釜で焼かれた立派な料理。でもやっぱり炭水化物だね。