なぜ辛い牛肉飯で温かい気持ちになるのか

versaloft2007-01-26


芝大門で打ち合わせがあったあと、一人で仕事場に戻る途中にその店はあった。
「味芳斉」という中華料理の店。以前、通りがかりに一緒に歩いていた人が「この店、おいしくて人気があるんですよ」と教えてくれたのを思い出した。いつもはランチタイムは行列だというが、もう一時もとっくに過ぎていたので外には人がいなかった。チャンス、と思って入ってみると、狭くない店内のテーブルは全部うまっていた。さすがは人気店。
相席に通されて、メニューを見る。ランチの定食が何種類か、焼きそばや中華丼もある。でもその一番上に載っているメニューが気になる。牛肉飯。これはなんだろう。
これがおすすめに違いないと頼んでみる。きゅうにくはん、と頼んだらはいぎゅうにくはんですね、と答えてくれたのでそれで正しいのだろうが、帰りがけに伝票を見たら「牛どん」と書かれていた。

数分後現れた牛肉飯はどんぶりに、白いご飯、その上に辛子みそで煮込まれた牛肉がたくさん乗っているのだった。それともやし。野菜のスープも添えられている。
この辛子みそがけっこう辛い。そのままちょっと食べてから、これは混ぜなければならん、と決心して、ぐちゃぐちゃと混ぜて食べ始めた。混ぜるか混ぜないかは辛いものに対する耐性で決めればよいだろう。混ぜなければモヤシで一服できるから。

辛い、というのにプラスして、スパイシーなのだ。インドカレーであるような爽やかなスパイスの香りだ。八角が爽やかである。これはうまい。あっという間に食べてしまった。

料金(千円)を支払って会社へ歩いて戻っていく道すがら、胃袋がぽおっと温かいのに気がついた。どうやら薬膳のお店だったようだ。またきっと行くことになるだろう。