なぜ牡蠣フライをもとめてデパートのエレベーターに乗るのか

もう牡蠣フライの季節なのである。
銀座で牡蠣フライといえば松坂屋お好み食堂「蘭」を忘れるわけにはいかない。
いい意味で、時代の変化に取り残されたようなデパートの食堂だ。お客も年上ばかりで若い人に会った試しがない。たとえて云えば池波正太郎が現れてもおかしくない風情。ここで牡蠣フライとヒレカツのMIXをいただくのである。カウンター席に仲間と並び、フライが揚がるまでの間はなんだかんだとしゃべっているが、「おまちどうさまでした」と皿が出てきたらぴたりとおしゃべりが止まる。軽いころもにつつまれた牡蠣は大ぶりではないがやわらかく香りが良い。ひとつめは塩とレモンで、二つめはタルタルソースで、みっつめはソースと少々のケチャップを混ぜたもので食べる。うまし。
続いてヒレカツ。一口大のものが3つ。それぞれ包丁が入っているので食べやすい。全部牡蠣だと飽きちゃうからね。
山盛りのキャベツもたいらげて、1680円。ちょっと豪華なランチでした。