なぜこの季節はカンヌの熱気がおつむの中を吹きまくるのか

アイディアは翻訳がいらない、というようなことを誰かがツイッターでつぶやいていて、ひさびさに強く共感した。

日本製がガラパゴス化するのは携帯電話ばかりではない。野球もそうだった。野茂やイチローがその境を突破して、メジャーとの敷居を低くしてくれた。小説も、そうかもしれない。村上春樹は世界との境を感じさせないほどの活躍ぶりだ。
僕が仕事にしている広告も、実は現在進行形でガラパゴス状態だったりもする。日本で一流と云われている人が海外へ出るとぜんぜん通用しない。国際的なコンテストで、自分たちが崇拝する広告人の作品がブーイングを浴びたり無視されたりするのに、若いクリエイターたちは呆然としているのが常でありました。

でも、その流れは変わって来た気がする。デジタル系をきっかけとして日本からの出品が光って来た。受賞作も多くなって来た。素晴らしいことであります。日本の広告界がアイディアの世界に復帰したのだと思う。思えば日本のテレビ界はあまりに内輪過ぎて、日本人でも全員がついて行けない世界になってしまったから。キャスティングという誰でも出せるアイディアのようなもの、つまりタレント広告というパワーに引きずり回されてテレビCMはこのまますすむのだろう。そして縮小傾向に向うのかもしれない。が、一方で次代を担う広告屋はちゃんと育っているのだ。

今年からカンヌ国際広告祭からカンヌ国際クリエイティブ祭に名前を変えたフランスのイベントで、会社の仲間たちがウィナーになった。ほんとに嬉しい。みなさん、おめでとう。