なぜウタマロの威力でダウンジャケットがピカピカなのか

ウタマロという石けんがある。

洗濯用の固形石鹸である。ドラッグストアで普通に売っている。120円だった。知らなかったが、昔からあるらしい。薄い緑色、たとえが適切かわからないが、イタリアの自転車BIANCHのチェレステというグリーンに似ている。

何のために買ったかと云えば、使い古して汚れてしまったダウンジャケットを洗うためである。ダウンを洗うのは勇気がいる。以前、ローカルな腕のいいクリーニング屋に頼んだらバクハツして中のダウンが飛び散ってしまったし。←どういう洗い方をしたのか未だに不明。腕がいいのという評価も不明。

それは極端としてもクリーニングは高価いのにあんまりきれいになんないよね、というのが僕の周囲の感想だ。アウトドアの入門書には、「専用の洗剤を使って洗うこと」とある。やたらにめんどくさい方法が説明されていて、断念を誘うかのようだ。

しかし汚れたままでは着られない。いちかばちかで洗ってみた。

汚れているのは襟と、袖口、ポケットの周囲。裾もデニムと摩れたからかなんとなく黒ずんでいる。で、その周辺をウタマロ石けんを泡立てて洗っていく。手荒いである。それから全体を風呂場のタイルに広げて、石けんで洗っていく。コットンが入っていない化繊の生地なので汚れが深くないのが幸いだ。この時点でダウンはぬれてつぶれてぺちゃんこであります。で、最後はシャワーですすぎ、ぬるま湯を張った器に入れて流水で石けんを落としていく。気をつけたのは中の羽毛が石鹸水に触れている時間をできるだけ短くするということ。羽毛の油分が落ちきらないように。

水を切ったら、情けなーいぺちゃんこのダウンをバスタオルで巻き寿司のように丸めて、これをドラム式の脱水にかける。それから平らな物干にかけて丸一日室内で干した。時々中の固まっている羽毛をたたいてほぐす。

それだけで、へえ、これがさっきのあれですか、と感心するほどきれいになりました。こころなしか軽くなった気がする。すごいぞウタマロ石けん。

でもこの手段はジャケットの寿命を確実に縮めるよね。もう一回が限界かなあ。ダウンを大事にしたい人は専用洗剤を使う方がいいでしょう。僕はこれでいいや。