なぜプリンターのインクの調達にwebをうろうろするのか

今のCanon製プリンターを買ったのはもう何年前だろうか?

当時2万円もしなかったと思うが、今でもよく働く。近頃のプリンターはあれもこれもできて、恐ろしくきれいな写真が印刷できるらしいが、我が家では写真のプリントは駅前の写真屋さんに頼むので、あまり精度の高いプリントは必要ないのである。

しかし、僕の仕事、娘の宿題などでプリントする機会は多い。当然、インクの消耗も早い。で、調達するのだが純正品はずいぶんご無沙汰だ。なぜなら互換インクの価格が段違いに安いから。我が家のプリンタには4色のインクが必要で、各色のカートリッジを取り付けるようになっている。この値段が純正は一本1000円である。

ブラックは嵩が大きいので1100円である。4色合わせて、合計4100円だという。定価はあまりに高すぎるものの、amazonに注文するとだいぶ安くなる。それでも2997円だという。

しかし一方、上海問屋という通販屋さんがwebにあり、そこでは互換インクが899円であるという。一本ではない、4本セットで899円なのだ。ほとほと感心する。品質は如何に、という気がしないこともないが、そんな理性が吹っ飛ぶほど安い。はい、ポチッとな。で、すぐ届く。ご丁寧にプチプチのビニールに包まれて。メール便の送料も価格に含まれている。これでは電車に乗って買いに行く気にもならない。

印刷に問題が起こるかと期待しても無駄である。単純な古いプリンターでは問題さえも起こらない。最近のインクカートリッジにはICチップが付いていてインクの残量を知らせたり、粗悪な互換インクを拒否したりすることもあると聞くが、我が家のプリンターはそんなに頭が良くないのも幸いだ。

ほんとうは機材を安価にして消耗品で利益を出すメーカーのビジネススキームに、さほど反感を持っているわけではない。いいものならどんどん使われるだろうし、多くの人が多くの機会で使うほどメーカーにお金が入るシステムは、高価な機材を売りっぱなしのビジネスよりもむしろまっとうな気さえする。ただ、この価格差はどうにもならぬ。

メーカーも直販ルートを完備するとかして、今の半分くらいの値段で売ってみたらどうだろう。純正品が一番安くなくても、そこそこの値段ならユーザーはきっと買うと思うな。カテゴリーは違うが、Appleはそれに成功している気がするけど、どうだろう。