なぜチャールズはチャーリーと呼ばれると怒り出すのか

チャールズ・ミンガスの自伝を読んだ。

ミンガス?自伝・敗け犬の下で (晶文社クラシックス)

ミンガス?自伝・敗け犬の下で (晶文社クラシックス)

楽家の読み物は不思議にいいものが多い。この自伝は聞き書きではなく,大部分が自書であるようだ。もともと、ミンガスが書いた私家版が回し読みされていて、評判になり、再編集され出版されたものらしい。

同じベーシストでもビル・クロウのようにジャズシーンの証言、というものではない。いや、もちろんそうではあるのだが、ミンガスがなぜJAZZミュージシャンなのか、そんな自分をどう思っていたのか、が語られているのです。

優等生のチャールズもいれば、女の子に悪さをするチャールズもいて、着々とミンガスになっていく様子が面白い。字が小さすぎるけど、面白かった。

ファッツ・ウォーラーと安ホテルのツインルームで語り合うシーンは、同じ部屋のどこかで毛布にくるまって会話を聴いているような,不思議な気分。