宮部みゆきの「火車」を読んだ。
休職中の子持ちで男やもめの刑事が、甥から失踪した婚約者捜しを依頼されることからはじまるミステリーだ。ネタばれのおそれがあるので書きたいことが書けないのがもどかしい。
いまさらなのだが、すっげー面白かった。主人公の設定に苦心のあとがある。作者にはたいへん緻密な計算と努力が必要だったろうけれど、読み手としてはスイスイとスピーディに読み進められる。立ち止まることもできないほど。最後は止められなくて出勤途中にもかかわらず喫茶店に入って読み切ることに。負けたよ宮部みゆき!
サスペンスでもあり、社会批評でもあり、人間の愚かさを語る寓話でもある。
ミステリーはやっぱり面白いな。またいろいろ読み始めそうだ。