なぜ軍艦なのに陸に登って宝塚歌劇団なのか

versaloft2007-09-09


新藤兼人監督の新作、といっても監督ではなくて主演作を見た。「陸に上った軍艦」という、監督本人の戦争中の体験をつづったドキュメンタリーと、映像化された話が交錯する。30過ぎて徴兵されたシナリオライター新藤青年は、すでに負け戦で乗る軍艦もない海軍にあって、100人の仲間の94人が次々と消耗されて行く中、予科練の合宿所になっていた宝塚音楽学校の宿舎で過ごす。が、内地とはいえそこは軍艦と同じ。壮絶な軍隊生活を経験するのだった。そして、じっと人間を見ている。

ドラマの中の役者さんがけっこういい。なにがいいって痩せているのが凄い。テレビドラマの兵隊さんは栄養が足りているのが、奇妙だものね。

しかし、これを見てから、なにを見ても平和の風景にしか見えない。つくづく日本人は戦争に向いていないよなあ。アメリカも、実は戦争に向いていないのではないか。うまく負けることができずに泥沼にはまっていく。