なぜロシアのアニメーションからいつまでも逃れられないのか

versaloft2006-10-28


まだDVDなどマーケットに存在してないころの話。
渋谷の三省堂書店でアニメーションが流れていた。足を止めて、しばらく見入ってしまった。ありきたりな言い方で云えば「釘付け」になってしまった。それはユーリ・ノルシュタインというロシアのアニメーション作家の作品だった。その「話の話」というタイトルのレーザーディスクをすぐに買った。再生する機械は持っていなかった。
正直なところアニメ好きでもなんでもないのだが、使われていたバッハの曲や、モノクロの映像や、少ない言葉が、大いに琴線に触れたのである。その後、レーザーディスクの機械を購入して、何度も見た。他にディスクは買わなかったから、この一枚に5万円くらい払った計算になる。元をとろうとした訳ではないが、家に来る客にも何度も見せた。みんなお愛想で「いいねえ」と云ったが、それほどでもないなあ、という空気だった。ははあ、やっぱりポピュラリティはないのかなあ、と納得した。

あれからずいぶんたった。「話の話」は廃盤となったらしい。
でも、ユーリ・ノルシュタインのもうひとつの傑作「きりのなかのハリネズミ」をネットで偶然発見した。ただし、小さなぬいぐるみ。早速購入して長女に進呈した。気に入ってもらってなによりだ。