なぜ光を知らない音楽家の音がきらきら輝くのか

今更だけれど、音楽の力というものは確かにあある。

NHKホールで開かれた「こころコンサート」を聴きに行った。小林研一郎率いる「コバケンとその仲間たちオーケストラ」に障害のある演奏家たちも加わり、ソリストを迎えての演奏会だ。

視覚障害のバイオリニストの河畠成道はサラサーテの「チゴイナーワイゼン」。トロンボーンの女の子は盲導犬を連れて登場し「誰も寝てはならぬ」をソロで演奏。ピアニストの辻井伸行ラフマニノフ「協奏曲2番第3楽章」。いずれもただ者でない演奏で、生で聴けて幸せだ。

他にもオーケストラのメンバー、太鼓のチームなど、さまざまな障害の持ち主が加わって演奏するのだが、みなえも言えぬ迫力がある。障害があるのに偉いわねえ、というレベルではない。神様はそれぞれに力を与えるのだなあ。

NHKの番組なのでそれらしい演出もああるにはあるが、どこかで人知れずやっているより、たくさんの人に勇気を与えるコンサートになっていると思う。

それにしてもNHKホールって弦はきれいに聞こえるのに金管楽器は遠くに聞こえる不思議なホールだね。