なぜ花粉症の薬で不思議な夢を見てはブツブツ云っているのか

例年のことであるけれど、今年も花粉症である。

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目もかゆい。重症になってくると微熱が出て頭がぼおっとして、手足の末端、顔が浮腫んでくる。なにしろ小学生時代から、まだ医者に花粉症の知識がない時代からの筋金入りの花粉症患者だ。つまり春とはやっかいな季節、というだけのことなので、いまさら微動だにしないのである。へっ、へっ、へーっくしょいっ!

そんなわけで、あまり薬に頼るということはしない。過去に薬で何とかしようとしても、ますますぼおっとしたり、眠気に襲われたり、ろくなことがなかったからである。だから、今では夜だけ、アレルギーを抑える目的の薬を飲んで寝る。真夜中に自分のくしゃみで目がさめるつらさを知る人は、よく眠れさえすれば、花粉症の悩みは半分に減るという意見に頷いてくれることだろう。

おかげで、夜は良く眠れる。しかし、薬の副作用なのか、わけの分からない夢を見るようになった。

きのうの夢。

『出張先のニューヨークで、仕事場にいる。ずいぶん散らかった汚いオフィスで、「いやだなあ」と思いながら一緒に居るはずの同僚を探している。その同僚はデスクにかじりついて仕事をしており、どうも手を離せないようすだ。しかたないのでひとりで食事に行こうとエレベーターに乗り、一番上のフロアに出る。そこはきれいな美術館になっており、エレベーター脇のドアからオフィスのエリアに入れる。そんな事情をよく承知しているのが不思議だが、本人は疑問にも思わない。照明が暗い廊下を行くが、なぜか社員はあまりいない。僕は少々腹を立てているようだ。理由は分からない。食堂はずいぶん粗雑なインテリアで、窓口で注文して受け取るようになっているので自分も列に並ぶ。いっしょに並んでいる外人連中の顔をなぜか知っていてお喋りをしている。順番になって「まだ働くからビールは飲めないな」と思いながらジンジャーエールを注文する。が、出てきたのはジンジャーの入ったパンで出来たホットドッグである。とても不味そうだ。窓口のおばさんに文句を言うが、自分の英語がぜんぜん通じないのでまた腹を立てる。財布を開けると日本のコインばかりで「成田を出るときに両替しなかったからだ」と思ってまた腹を立てている。』

今朝の夢は、

『ひとりで電車に乗っている。すいた車両に座ってうとうとしている。「外国で電車に乗るときに居眠りしてはいけないなあ」と思いながうつらうつらしている。昼間だから窓の外は明るい。はっと気づくと、降りる駅だ。あわてて列車から降りるが、網棚に荷物を載せたままだった事に、ドアが閉まってから気がつく。動く車両を覗き込むと網棚に布のトートバックが見える。しまったと思うが列車は止まらず、田舎の駅を去っていく。それを悔しげに見送る。駅員に「今の列車に忘れ物をした」と告げると、どの車両のどの辺だったかを事細かく聞かれる。それをノートに書いているのを見ながら「そんな書類を作るより、早く電話をすれば良いのに」と思ってイライラしている。俺は自分の間抜けを棚に上げてイライラしているなあ、と思いながらその自分を観察している自分がいる。』

他人の夢の話くらい退屈するものもないのに、つい書いてしまった。読んでくれた人には申し訳ないです。ふだんはあまり夢を覚えていないタイプなので、物珍しいのです。それにしても、いつも夢の中で不機嫌なのが気になる。誰か夢の分析をしてくれませんか。