なぜフロスト警部と地下鉄に乗るのは危険なのか

デントン署のフロスト警部、いつもお疲れ様です。

ああ、読み終わっちゃった。大好きなフロスト警部シリーズ、今回の「フロスト気質」は上下二巻の長尺もので、最初っから死体と誘拐と泥棒と、事件がてんこもり。上巻が終わる頃には読んでいる自分の頭の中は警部の机の上さながらに散らかりきっていた。終盤は見事な解決。伏線もほとんど収まって納得だ。(指の謎はそのままのような気がするけど)

それにしても、これほど笑えるミステリー小説は他にない。だらしなくて、不潔で、お下劣で。場当たりだけど誰にも負けない推理力と、はた迷惑な捜査力。なんて魅力的なんだろう。著者が亡くなってしまって、残るはあと二册、翻訳待ちがあるらしいけど待ち遠しいやら、もったいないやら,複雑な気持ちです。

防犯ビデオのくだりは電車の中で読みながらプルプル震えてしまった。笑いをこらえるのに。

「先週なんて、ディーゼル給油機の裏にしゃがみ込んでうんちをしてる男が映ってましたよ。見ます?」「いや、遠慮しとく」とフロストは言った。「おれだといけないから」

フロスト気質 上 (創元推理文庫 M ウ)

フロスト気質 上 (創元推理文庫 M ウ)