なぜ信越トレイルはほっとするような優しい道なのか

先日、信越トレイルという場所を歩いた。

長野と新潟の県境に山脈があり、その尾根伝いに登山道というのか、いわゆるトレイルが整備された。全長80kmだという。普通に歩けば3日はかかるらしい。僕が歩いたのはそのうちのほんの一部、2時間ほどで歩ける距離である。

整備が行き届いていて、歩き易い。フカフカの落ち葉を踏んでこれほど長い距離を歩くのは初めての体験だ。紅葉の始まったばかりのブナの森は、静かで、趣がある。

天候が落ち着いた時期だったので、暑くなく寒くなく、快適。風も少ない。日本海まで25キロほどの近さだというので、吹けば寒かろう。海抜は1100メートルほどで、さほど高くはないので、麓との温度差も少ない。

のんびり歩くのはいいが、ピークハントではないぶん登山で得られる「達成感」にはちょいと欠ける。起伏が少なく歩き易いコースなので、何度も訪ねることで四季の変化を楽しむ、そんな大人の山歩きに向いていると思った。冬には雪深くなりスノーシューが楽しめるらしい。