なぜ51年9ヶ月間愛し続けた話で盛り上がるのか

「コレラの時代の愛」って凄いタイトルの映画だな。

ガルシア=マルケスの原作なんだそうで、小説は読んでなかったけど、なるほどこれは面白いし映像化したくなるだろうなあ。
予告編の範囲であらすじを書くと、長年連れ添った夫の葬式に昔の悲恋の相手が現れて「この日を待っていたよ。この日のために純潔を守ってきたんだ」と年老いた未亡人に告げるのである。当然混乱するわけだが、その日へ至るまでの50年以上の年月が描かれていくのだ。伝染病でイチコロの危うい時代だから、こんなにも生きることに熱心になるんだろうなあ。昔の日本人も結核や伝染病や戦争で常に死を意識していた時代には「生き方」についてもっと熱心だった気がする。今の時代で語られる「生き方」って、なんだかTIPS集というか、小技というか、昔に比べるとちっちゃい感じがします。

ジジイなってからの話の展開がやたらに面白いのだが、そこは見てのお楽しみ。映像も音楽も、ぜったい映画館で見た方がいいですよ。