なぜ誰も予想できなかったことは必ず起こるといわれて混乱するのか

ナシーム・ニコラス・タレブブラック・スワン―不確実性とリスクの本質」を読んだ。

誰も予想しなかったインパクトのある事態はなぜ起こるのか。たとえば去年のリーマンショックのような出来事はなぜ予想できなかったのか。それを語る作者に延々と付き合うのがこの本の醍醐味であります。

かなり売れた本らしい。なにしろ図書館で7月に予約したのが今ごろやってきたのだから、人気の程が知れようというものだ。でも、この本みんな理解できるんでしょうか?とても疑問。僕は半分もわかりませんでした。

あちこちに飛ぶ話、それも知らない人や知らない本を例にあげて語られるのだから、かなり難解です。でも文章は平易。それもまた悪い頭を混乱させるんだ。頭のいい人の話に付き合うのはたいへんです。

リスクを管理できるとする経済学者はペテン師。それを助けているノーベル経済学賞という権威もはペテン師の片棒かつぎ、という主張は痛快。結局はルールの決まった範囲での確率論は、一歩外へ出れば役に立たないしむしろ有害だという。

しかし人間はだれしも確実さを求める。何をどう準備するかの根拠を求める。自分の都合で根拠になる数字を探しているうちに、いつのまにか数字を信じてしまう。だって他のことなんか起こるはずがないんだから。科学的に、ロジカルに考えれば考えるほど起こらないと確信していく。

そしてそれは突然起こるのだ。

面白かったけど時間がかかって、図書館の返却期限にちょっと遅れてしまいました。