なぜこまわりくんの中で光る風のシーンが出て来て笑い転げるのか

ビッグコミックで「中春こまわり君」が連載されている。

云わずと知れた少年チャンピオンに70年代に連載された、山上たつひこ作「こまわり君」の後日談である。懐かしい登場人物が次々にでる。それだけで愉快である。

あの「死刑!」の少年警察官もいまでは中年サラリーマンで家庭もあり、当時の登場人物もそれぞれの人生を送っている。サラリーマン社会の悲哀や、根本的に愚かな社会の中に置かれた元変態少年は、人間として真っ当でさえある。

西城くんも同じ金冠生生電気に勤める同僚で、モモちゃんと結婚している。こまわりの奥さんの父親は「光る風」に登場する厳格な父親そのもので、しばしば「光る風」ごっこをはじめる。嬉しい部分がほとんどだが、ギャグ漫画の後日談は現実の「なれのはて」である自分にとって、ちょっと切ない。

今週号ではあべ先生が登場し、これまで屈折しまくっていた漫画の雰囲気が一気にリズムを取り戻したように思える。

おお、もう単行本も出ている。

中春こまわり君 (ビッグコミックススペシャル)

中春こまわり君 (ビッグコミックススペシャル)