なぜAppleユーザーの一日は「カナ かな」の悩みで暮れていくのか

休みで家にいると、慣れないことをする。

リビングルームに掃除機をかけていると、テーブルの上にiBook G4が出たままだった。最近はキーボードの部分にカバーも掛けていないので「そういえば埃が隙間に溜まっているような気がする」と思ったのを覚えている。
で、深い考えもなく掃除機のホースを途中で外し、キーボードの隙間の埃を吸い込ませようとした。
シュパシュパと音がして、気持ちよく埃が吸い出されていった。はずだった。あれ?これは?

キーボードが歯抜けになっている。わわわ、吸い込んじゃった!

驚いて掃除機のゴミパックを取り出し、中を探ると「カナ かな」と書かれたキートップを発見。ああ、よかった。埃をふいて取り付けようとすると、あれ、つかないじゃん。ただ差し込むだけじゃないのね、これって。

と、いうことは他にも部品があったということだ。あわててまたゴミパックを取り出して、中を探る。しかし、見たこともないものを探す、というのはこんなに難しいものなのか。埃のかたまりをベランダでほぐしながらブツブツ云っているうちに、ひょっとしてこれではないかという透明の部品を発見。

キートップの裏面に小さな突起があり、これにぴったりはまる。ああよかった。これでもう大丈夫だ、と本体に取り付けようとすると、つかないし、なんとも心許ない。

webで誰か写真を公開していないかとウロウロする。見つけたが、写真が見にくくてよくわからん。しかし分かったのは「部品はもう一個ある」ということだ。

またまたゴミパックを取り出して、さっきぶちまけた埃の固まりをまとめて包んだ新聞紙もゴミ箱から回収して、ふたたびベランダへ。埃の固まりをほぐしながら確認していく。ああ、見つからない見つからない。

諦めかけた頃、小さな透明な部品を発見。おお、やったー。

しかしここからが大変だった。構造がまったくわからない。組み立て方がわからない。何通りもやってみたけど、うまく収まらない。webを見て分かったことがもう一つあった。「力を入れすぎるとプラスチックの突起は簡単に折れる」。小さな突起はいたって微妙な細工になっていて、こわごわやるので余計うまくいかない。

あきらめて、修理を依頼するために渋谷のAppleストアの予約をした。むーん、明日のお昼だって。

無力感に浸って、それでもアップルのサポート情報をぐるぐる見て回っていたら、あ、キーボードのメンテナンスがある。しかも写真入り。これは今までで最高に丁寧な説明だ。ただし部品の写真は似ているが、そのものではない。透明な二つの部品はどうやらパンタグラフと呼ばれる部品らしい。キートップを下から支えて、キーボードに固定する役目をする。これで構造を初めて理解できた。

なんども組み合わせを換えているうちにパンタグラフ部分が、こころなしかすっきり収まる姿勢になった。そこで、ものは試しと、そこにキートップを乗せて、上から押してみる。えいや。

ぱちんぱちん、と音がした。うわあ、嵌った。直った。

なんだか合計3時間以上かけて、壊したり直したり。忙しい休日でした。ああよかった。blogネタもできたし。もちろんアップルストアの予約はキャンセルしました。