なぜジャン・ギャバンは「荷物を自分で運ぶな」と命じるのか

地下室のメロディー」を見た。

ジャン・ギャバンアラン・ドロンの競演だ。お話は、年の離れた二人が手を組んで、南フランスののホテルに大金持ちのふりをして入り込み、カジノの上がりを地下の金庫からまんまと強奪する、ということなのだが、その仕掛けとかには特別なことは何もないのである。

泥棒達のお洒落で、かっこいいところが見せ場の全てなのだと思う。モノクロで描かれるその様子はたまらなくいい。車はアルファロメオのスパイダーとロールスロイス、洋服類はよく分からないが、盗んだ札束を入れる鞄はエルメスのようだ。そういった「上流階級」の夏が漫画のように描かれていくのだ。銃を花束の箱から出すときのアラン・ドロンがキザで良い。有名なプールでのラストシーンはほんとうに秀逸。これは格好良くて、しかもわずかな動きと仕掛けでドキドキした。

カンヌの街(だと思う)も今と昔ではずいぶん違うんだなあ。

YouTubeで映画の出だしが見つかったので貼っておきます。でも、なぜかカラーの映画になっている。タイトルが英語なので、もしかするとアメリカ向けバージョンかも知れない。撮影はカラーネガでして、モノクロとカラーと、両方作ったのかな?でもモノクロの方がぜんぜんかっこよさが違うぞ。