【Apple Life】なぜ古いものは古い記憶を掘り出してしまうのか

versaloft2006-10-20


Appleと出会ったのは1988年だと思う。友人のアメリカ人が故郷へ帰るというので、彼の持っていたMacintoshを譲り受けた。SEという機種で、先行機種だったPlusにハードディスクを組み入れたり、メモリを増やしたりできるようになった当時の最新機種だった。店では70万円くらいで売られていたのを30万円でひきとった。
英語のシステムだったので、ハードディスクは未搭載。フロッピーディスク一枚で起動する。メモリは2MBだった。日本語のシステム「漢字Talk」を使うに当たって、メモリの増強とハードディスクを新たに増設した。それぞれ4MBと20MBだった。単位の間違いではない。ほんとうにそうだった。両方で20万円だった。今の感覚では冗談のようだが。それでも都内で一番安いと思われる店での価格だった。

パワーアップしたSEを同僚たちに見せると、皆驚いた。しかも、安いと云って驚いた。早いといって感心した。そしてメモリが、ハードディスクがでかいと云ってまた驚いたのである。

HyperCardというAppleらしい素敵なソフトがあって、それだけでずいぶん「遊んだ」。仕事にも使った。ドット式のプリンタは凄い音がするので会社の同僚たちには迷惑をかけたが、そんな大げさなものを個人で持っている社員はほとんどいなかったので、陰ではともかく面と向かって文句を言われたことはなかった。

機械を立ち上げるとき、「ポーン♪」という飛行機のアナウンス前になるようなチャイムが流れる。モノクロの画面だが、フォントがお洒落で、なにをしてもワクワクした。いつのまにか、現役を引退して棚の中に仕舞われていたが、最近片づけの時にゴミとして登場した。ゴミ回収のおじさんに「これは有料だから、持って行けません」と断わられた。で、リビングのテーブルの上に再び鎮座して、今は電源につながれることもなく静かに佇んでいる。今でもその美貌は衰えてはいない。

webでその画面の雰囲気を体験できるサイトがあります。こちらへどうぞ。