なぜ人は即断即決の人にあっさり騙されてしまうのか

自分の優柔不断を棚に上げて云うのだけれど、即断即決ってそんなに偉いことかなあ。

下手な考え休むに似たり、結果が同じならスピードは速いほうがいいという理屈は、なんだかビジネス本では当たり前のようだけれど、考え方が貧しいし頭も悪そうに感じる。

もちろん作業というものは「命令」があって、それに対してあるパターンで即断即決していく、というのが最も効率がいい。

典型が軍隊である。先手必勝。もたもたしていたら、あっというまに全滅だ。即断即決で突撃も退却も自由自在、という指揮官が有能なのだろう。とはいえ、それは将棋のごとく、具体的で有限な火力と兵力と状況を踏まえての話である。実際の世の中はもっと複雑だ。

ここのところ話題の自衛隊でリーダーだったという人物の主張を見るに、この人はさぞかし即断即決の有能な軍人だったと思われる。与えられた情況の中で正解を探すことにかけては天下一品なのではないか。でも、おそらく自分の頭でものを考えるのは苦手そうだ。新しいアイディアを出せ、といわれたら資料を集めて「これが今いちばん新しいです」と持ってくるタイプ。軍隊ではともかく、モダンなビジネスのリーダーには不向きだ。

即断即決って、勇ましいし、頼もしくて、男らしい。でも、馬鹿の特技でもあるということも忘れちゃいけないね。考えて見ると有能な経営者って、それに加えてクレイジーな資質をどこかに持ってる。玉砕するのも、大成功するのも、即断即決とクレイジーを持ち合わせた人々だ。だから魅力的な人物が多いんだろうなあ。

で、街はもうクリスマスだ。ちょっと早すぎないか?